かき氷とホットコーヒー
この夏、明智健悟は金田一一とちょっとした賭けをした。 たわいもないいつもの意地の張り合いの延長の賭けだったのだが あろうことか明智は賭けに負けてしまった。 そして金田一曰く「罰ゲーム」の開催日となった。 暑い暑い真夏の太陽の灼熱にあぶられたような日中。 待ち合わせたのはとあるファミレスで。 「では!明智さんには罰ゲームとしてかき氷一気食いしてもらっちゃおっかねえw」 明智の目の前に置かれたのはかき氷の練乳掛け。 「なんで練乳だけなんですか?こんな甘ったるいもの食べられませんよ」 「だーから、罰ゲームって言ったでしょぉ?あんたの嫌がるもんじゃないと面白く無いしw」 むむむ、と眉間にシワを寄せ親の敵のようにかき氷を見つめる明智と にしししし、と楽しそうに笑う男子高校生、金田一。 他の客や従業員が、一体どういう組み合わせなのかとちらちらと興味をのぞかせるなか、時間だけが過ぎ去っていく。 「ささ、溶けちゃわないうちにどーぞー」 と、満面の笑みを浮かべて勧められ明智は意を決してスプーンを持ち上げる。 優雅にすくい上げられたスプーンの上の小さな氷塊が、薄い唇に飲まれるのを 金田一はにやにやと眺める。 ああ、なんで私がこんな目に。。。 年下の癖して生意気で頭の切れる腐れ縁の金田一への恨みつらみ罵詈雑言が明智の中を駆け巡る。 「だめだよー明智さん、早食い。は・や・ぐ・いって言ったでしょ〜?」 対面に座りながら金田一が唇を尖らせる。 (このガキ・・・・!) 明智は意を決して。 かき氷の入ったガラスの容器を片手でがっ!と掴むとバリバリバリと音がするんじゃないか?っというくらいの早業で、ヤケクソ気味に次々に氷塊を口の中に放り込んで咀嚼して飲み込んで。 「・・うっ、ぐ、ふ!げほ!げほ!ごほ!!!!」 案の定というか当然の帰結として盛大にむせて飲み込みきれなかった氷塊が溶けて唇の傍を伝い落ちていく。 「・・・・!」 その一瞬、明智が取り出したハンカチで口元を拭うまで金田一がねめつける目で自分の口元を凝視した、と感じたのは明智の勘違いだったのだろうか。 (よっしゃ!今夜のズリネタ、ゲーット!!!) テーブルの下でおもいっきり拳を握りしめた金田一に明智は気がつかない。 「・・ぶ!あはは!何その顔!w」 してやったりと笑い出す金田一をぎろり!と明智が睨み返すと 「ごめんごめんwでも涙目だよあんた!w」 と、笑うその手におしぼりがあった。 明智はおしぼりをひったくると呼吸困難になった口元と生理的な苦しさで浮かんできた涙を拭う。 「・・・こんなことはもうこれきりですからね!」 「あ〜はいはい、じゃあ次からの賭けにはあんたが全部勝たなきゃねえ〜」 「誰に言っているんですか。当たり前です」 体制を立て直した明智が、フフンと笑って銀縁のメガネに手を添える。 いまだ去らぬ笑いの発作をくつくつと抑えながら、気をきかせて新しいおしぼりを持ってきたウエイトレスにホット一つ、と金田一がオーダーする。 「泣かせちゃったお詫び。ここ俺がおごるからまあコーヒーで口直しでもして」 「・・・今日は突発的な豪雨でもありますかね?」 「可愛くねえの」 「当たり前です。私が可愛いなんて金輪際あろうはずがありません」 ニコニコと浮かべた笑顔の裏で金田一は考える。 (そういう可愛くないところが可愛いってーの、この人わかってるのかなあ?) 「あのさあ、可愛くなくていいから、又・・・・」 ---こんなふうに、デート、して?--- 盛大に吹き出されたコーヒーのお陰で再びのおしぼりのお世話になるは、今度は金田一の番だった--------- 終わり。 |
ブログ小話からの再録です。はい、ひっさびさの金明です。
リハビリなかなかおわんないうちに山崎まさよし聞いてたら金明が急に書きたくなりましたw
三人称?は難しい!!><;ちゃんと書けてるかしらねえ???(汗)
「ズリネタ」云々は実はサブテーマだったりするんですが文中に入れようかどうしようか迷ったんですが結局入れてしまいました。
エロって人それぞれ書き手さん受け取りてさんにあると思うんですがなんというか、ヤオイにおける突っ込んでこすって出す、というのよりはこういう衆人環視の中でヨコシマで不埒な目で相手を見るとか、無意識にソソルとかのほうがよっぽど私的にはエロい!と思うのです。(かといって性描写が嫌いなわけではないw)どちらかというとシュチエーション萌え?みたいなーw
まあもともと漫画描きのナンチャッテ小説書きなんで、もう文章力は無しの方向でシュチエーション萌で行こうかとw
2011/10/24 UP